社員に会社を継がせたい(MBO・従業員承継) 株式の買い取り資金と、許可を保つ人の要件


長く一緒に働いてきた社員に会社を任せたい。そのときにつまずきやすいのは、株式を買い取るお金、借入金の社長個人の保証、そして建設業許可の「経営経験」の要件です。後継者が役員として過ごす年数は許可の要件にも関わるため、早めの準備が効きます。
こんなサインはありませんか
- 現場も客先も任せられる社員がいて、本人も前向き
- ただ、その社員に株を買い取るまとまったお金はない
- 社員は役員になったことがなく、許可の要件を満たすか分からない
決める前に知っておきたいこと
- 株式の買い取り資金:社員が株式を買い取る方法には、金融機関からの借入、分割での支払い、社長への役員退職金の支給と組み合わせて株式の価値を下げる方法などがあります。どれが合うかは税金とあわせて税理士に相談します。
- 経営経験の要件:許可を保つには、常勤の役員等のうち1人が、建設業に関して5年以上、役員や個人事業主として経営に携わった経験などを持っている必要があります。後継者を早めに取締役にしておくと、その年数を積めます。役員でない期間でも、経営を任された立場(権限の委任を受けた部長など)で5年以上、または補佐として6年以上の経験が認められる場合があります。最終的な判断は許可行政庁です。
- 社長個人の保証:借入金の保証を後継者に引き継ぐのか、外すのかを金融機関と話し合います。保証の負担が、社員が継ぐのをためらう大きな理由になることがあります。
- 社員への承継でも専門家を:親族外承継でも、株式の価値の算定、契約書、税金の手続きは必要です。仲介ではなく、売り手か後継者の一方だけに助言するFAを選ぶ方法もあります。
費用の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 株式の価値の簡易の目安 | 純資産+営業利益の2〜4年分(年買法)。社員への譲渡では、税金上の評価(税理士が算定)もあわせて確認 |
| FA・税理士への報酬 | 業務の範囲で個別に見積もり。成功報酬・最低手数料の有無を書面で確認 |
| 準備の期間 | 後継者が役員として経験を積む期間を含めて1〜3年が目安 |
| 弊社へのお支払い | ありません(紹介先から紹介料を受け取り、その旨をお伝えします) |
※株式の価値は目安です。社員への譲渡は税金の扱いで金額の考え方が変わることがあるため、税理士の確認が必要です。
ご自身でできる確認
- 後継者が取締役として登記されているか、いつからかを確かめる
- 今の常勤役員等(経営経験の要件を満たす人)が誰として届け出られているかを、許可の申請書の控えで確かめる
- 株主名簿で、株式が社長以外(親族など)に分かれていないかを確かめる
- 借入金ごとに、社長個人の保証が付いているかを書き出す
従業員15名の内装会社・社長64歳・工事部長(48)に継がせたい
関西・60代
ご相談
部長に継いでほしいが、株を買うお金がない。許可の要件も満たせるか分からない。
窓口の対応
株式の価値の目安と、部長が取締役として経験を積む期間、金融機関の借入や役員退職金を組み合わせる方法の論点をお伝えし、親族外承継を扱うFAを1社ご紹介しました。
