後継者がいない工務店・建設会社の選択肢 会社を残す道と、先に確かめること


子どもが別の道に進み、社内にも継ぐ人がいない。そんなときの選択肢は、社員に継いでもらう、社外に譲る、廃業するの3つです。建設会社の場合は、譲ったあとも建設業許可を保てるか(経営経験のある役員と営業所技術者がいるか)が、どの道を選ぶかを左右します。
こんなサインはありませんか
- 子どもは別の仕事に就き、継ぐ予定がない
- 番頭格の社員はいるが、借入金の保証まで引き受けてもらえるか分からない
- 元請や取引先から「この先どうするのか」と聞かれるようになった
決める前に知っておきたいこと
- 選択肢は3つ:社員や役員に継いでもらう(MBO・従業員承継)、社外の会社に譲る(M&A)、廃業する、の3つです。早く動くほど選べる道が多く残ります。
- 許可は「人」で保たれます:建設業許可は、建設業の経営経験が5年以上ある常勤の役員等と、営業所ごとの営業所技術者がいることで保たれます。株式を譲っても許可はそのまま会社に残りますが、社長お一人がこの役を兼ねていて退くと、代わりの人がいなければ許可の取消しの対象になります。譲ったあともしばらく役員として残るか、買い手側で要件を満たす人を置くかを、早めに決めておきます。
- 会社の価値の目安:中小企業のM&Aでは、純資産に数年分の利益を足した額を目安に交渉することがあります(中小M&Aガイドライン)。目安は交渉の出発点で、実際の価格は買い手との話し合いで決まります。
- 社長個人の保証:借入金に社長個人の保証(経営者保証)が付いている場合、譲渡のあとに外すのか、買い手に移すのかを最終契約で決めます。ガイドラインでも、移る予定だった保証が移らないトラブルへの注意が書かれています。
- 公的な相談窓口もあります:国が各都道府県に置く「事業承継・引継ぎ支援センター」でも、無料で相談できます。
費用の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 会社の価値の簡易の目安 | 純資産+営業利益の2〜4年分(年買法) |
| 仲介・FAの成功報酬 | 譲渡額の5%前後が多い。最低手数料(ガイドラインの事例では300万〜1,000万円・税抜)が決められていることがあります |
| 着手金・中間金 | 無い会社もあります。ガイドラインの事例では着手金50万〜100万円(税抜) |
| 期間 | 仲介・FAとの初回面談から成約まで6か月〜1年半 |
| 弊社へのお支払い | ありません(紹介先の仲介・FAから紹介料を受け取ります。紹介の前に額の決め方をお伝えします) |
※会社の価値は目安で、売れる価格を約束するものではありません。手数料は仲介・FAごとに違うため、最低手数料を含めて書面で確かめてください。
ご自身でできる確認
- 直近3期の決算書で、営業利益と純資産合計の数字を確かめる
- 許可通知書で、許可業種・一般か特定か・有効期間の満了日を確かめる
- 経営経験のある常勤の役員等と営業所技術者が、社長以外にいるかを確かめる
- 借入金のうち、社長個人が保証しているものを書き出す
創業40年の工務店・売上2億円・職人8名・社長67歳
中部・60代
ご相談
息子は継がず、大手の仲介会社には規模が小さいと断られた。会社と職人を残せる道があるか知りたい。
窓口の対応
純資産と利益から計算した会社の価値の目安と、許可を保つために誰に残ってもらう必要があるかをお伝えし、売上5億円未満の案件を扱う仲介会社を1社ご紹介しました。
