建設会社の廃業と売却を比べる たたむ費用と、売ったときの手取りの考え方


「小さい会社だから売れない」と考えて廃業を選ぶ前に、たたむ場合にかかるお金と、売った場合の目安を並べてみましょう。廃業では職人の雇用と許可が終わりますが、売却なら会社ごと引き継げる可能性があります。決算書の上で債務超過でも、事業を評価する買い手が見つかることがあります。
こんなサインはありませんか
- 体力的に、あと数年で現場から離れたい
- 小さい会社なので、買い手はいないと思っている
- たたむにしても、何にいくらかかるか分からない
決める前に知っておきたいこと
- 廃業でかかるお金:会社の解散・清算の登記(登録免許税は解散3万円・清算人9,000円・清算結了2,000円)、債権者への公告、税理士・司法書士への報酬と税務申告、職人の退職金、重機・車両・資材の処分、事務所や資材置き場の原状回復、リース契約の解約金などがかかります。建設業の廃業届は30日以内に出します。
- 廃業すると終わるもの:職人の雇用、建設業許可、元請との取引が終わります。工事中の現場は、元請や施主と引き継ぎを決めてからたたみます。
- 売却の手取りの考え方:売却の目安から仲介・FAの手数料を引き、株式譲渡なら譲渡益に約20%(20.315%)の税金がかかります。廃業で会社に残ったお金を株主に戻す場合とは、税金のかかり方が違います。比べるときは税理士に試算してもらいます。
- 債務超過でもあきらめない:中小M&Aガイドラインは、債務超過だからといって廃業しか選択肢がないとは限らないとしています。事業の価値は買い手が評価するためです。
- 公的な相談窓口もあります:国が各都道府県に置く「事業承継・引継ぎ支援センター」でも、無料で相談できます。
費用の目安
| 項目 | 廃業する場合 | 売却する場合 |
|---|---|---|
| 登記・手続き | 解散・清算の登記と税務で50万〜150万円(専門家の報酬を含む目安。登録免許税は合計4万1,000円) | 株式譲渡は株主名簿の書換えが中心(役員が替われば役員変更の登記)。事業譲渡なら許可の承継の認可など |
| 人 | 職人の退職金(規程による) | 雇用は会社に残る(株式譲渡) |
| もの | 重機・車両・資材の処分、置き場の原状回復、リースの解約金 | 会社の資産として引き継がれる |
| 専門家への手数料 | — | 仲介・FAの成功報酬(5%前後が多い。最低手数料あり) |
| 税金 | 残ったお金を株主に戻すときに課税(税理士に確認) | 株式の譲渡益に20.315% |
※金額は目安です。資産の売却額や退職金の額で手元に残るお金は大きく変わります。
ご自身でできる確認
- 退職金規程があるか、職人ごとの勤続年数を書き出す
- 重機・車両・資材の一覧と、リース契約の残りの期間を確かめる
- 事務所・資材置き場が借りものなら、原状回復の条件を契約書で確かめる
- 工事中・保証期間中の工事を書き出す
屋根工事の会社・社長72歳・職人4名・借入なし
北陸・70代
ご相談
体力的に続けられない。たたむのと売るのとで、手元にいくら残るか比べたい。
窓口の対応
年買法の目安と、解散・清算の登記と税務の費用、退職金や置き場の片付けの項目を並べてお伝えし、小規模な案件を扱う仲介会社を1社ご紹介しました。
