会社を譲っても職人と取引先を守りたい 雇用・処遇・取引を残す契約の論点


会社を譲っても、職人の雇用と暮らしは守りたい。株式を譲る方法なら雇用はそのまま続きますが、給与や働き方まで守るには契約の条件にしておく必要があります。元請や協力会社との取引も、契約の中身によっては相手の承諾が要ります。
こんなサインはありませんか
- 譲るなら、職人の給与や雇用は今のまま守ってほしい
- 長い付き合いの元請や協力会社に迷惑をかけたくない
- 譲ったあと、職人が辞めてしまわないか心配
決める前に知っておきたいこと
- 株式譲渡なら雇用はそのまま:会社の持ち主が変わるだけなので、雇用契約は続きます。ただし、譲ったあとの給与・手当・勤務地を守るには、一定の期間「処遇を下げない」ことを最終契約の条件として書いておきます。
- 事業譲渡は一人ひとりの同意が必要:事業だけを譲る方法で職人を移すには、本人の承諾が必要です(民法第625条)。承諾しない職人は移りません。
- 取引先の契約を確かめる:元請との基本契約に、株主や経営者が変わったら通知や承諾が必要という条項があることがあります。契約書を先に確かめ、伝える時期を仲介・FAと決めます。
- 伝える順番:職人や取引先にいつ伝えるかは、仲介・FAと相談して決めます。早すぎると不安が広がり、遅すぎると信頼を損ねることがあります。
- 未払いの残業代などの確認:買い手は、未払いの残業代や社会保険の加入状況を調べます(デュー・ディリジェンス)。先に整えておくと、職人の処遇の交渉もしやすくなります。
費用の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 会社の価値の簡易の目安 | 純資産+営業利益の2〜4年分(年買法) |
| 仲介・FAの成功報酬 | 譲渡額の5%前後が多い。最低手数料が決められていることがあります |
| 処遇の条件の確認(弁護士・社労士) | 契約書の確認を頼む場合は別途。範囲で見積もり |
| 期間 | 初回面談から成約まで6か月〜1年半 |
| 弊社へのお支払い | ありません(紹介先から紹介料を受け取り、その旨をお伝えします) |
ご自身でできる確認
- 職人ごとの雇用形態(社員・日給月給・一人親方の外注)を書き出す
- 就業規則・賃金規程・退職金規程があるかを確かめる
- 元請・主要な取引先との基本契約書で、株主や代表者が変わったときの条項を確かめる
- 社会保険・雇用保険に、加入すべき人が全員入っているかを確かめる
型枠工事の会社・職人20名・平均年齢52歳
東北・60代
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譲るなら、職人の給与と雇用は今のまま守ってほしい。
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株式譲渡と事業譲渡で雇用の扱いがどう違うか、処遇の維持を最終契約に入れる論点をお伝えし、職人の処遇の交渉に慣れたFAを1社ご紹介しました。
