施工管理アプリに使える補助金 デジタル化・AI導入補助金2026の補助率と締切

これまでの「IT導入補助金」は、2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。施工管理アプリの多くは「通常枠」で申請し、費用の1/2以内(条件により2/3以内)が補助されます。申請は、そのアプリをITツールとして登録しているIT導入支援事業者と一緒に行い、交付決定の前に契約すると補助の対象外になります。制度は年度・締切回で変わるため、申請の前に必ず事務局のサイトで最新の内容を確かめてください(確認日:2026年10月2日)。
制度の概要(2026年度)
| 制度の名前 | デジタル化・AI導入補助金2026(旧 IT導入補助金) |
|---|---|
| 実施 | 中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構。事務局は中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局(TOPPAN株式会社) |
| 対象になる会社(建設業) | 資本金3億円以下、または常時使用する従業員300人以下の会社と個人事業主(中小企業)。常時使用する従業員20人以下は小規模事業者 |
| 対象になるツール | 事務局に登録されたITツール(「ITツール検索」で探せる)。IT導入支援事業者が登録する |
| 申請のしかた | IT導入支援事業者と一緒に、事務局の「申請マイページ」から電子申請 |
| 交付申請の受付 | 2026年3月30日(月)10:00から。締切回(1次〜7次)ごとに審査 |
| 問い合わせ | 中小企業デジタル化・AI導入支援事業 コールセンター 0570-666-376(IP電話等は 050-3133-3272)、平日9:30〜17:30 |
| 公募要領の改訂 | 年度の途中でも改訂されます(2026年度は2月27日の作成のあと、3月6日・3月30日・5月15日・8月28日に改訂) |
申請枠と補助率・上限
施工管理アプリ(工程・写真・原価などの「業種固有」の業務のソフト)は、多くが通常枠で申請します。どの枠で申請できるかは、ツールの登録によって決まるため、IT導入支援事業者に確かめます。
| 枠 | 補助率 | 補助額 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | 1/2以内。令和6年10月〜令和7年9月に「地域別最低賃金以上〜令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用する従業員が全従業員の30%以上の月が3か月以上ある場合は2/3以内 | 5万円以上150万円未満(業務プロセス1つ以上)/150万円以上450万円以下(業務プロセス4つ以上) | 150万円以上の申請は賃金引上げ計画が必須 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | ソフトウェア:50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超〜350万円の部分は2/3以内。PC・タブレット等は1/2以内(上限10万円) | ソフトウェア350万円まで | 会計・受発注・決済のいずれかの機能(50万円超は2つ以上)を持つツール |
| インボイス枠(電子取引類型) | 中小企業・小規模事業者等は2/3以内(その他の事業者は1/2以内) | 350万円まで | インボイス制度に対応した受発注のクラウドで、発注側が受注側(協力業者など)にアカウントを無償で発行して使わせるもの |
補助の対象になる経費・ならない経費
対象になる経費(通常枠):ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費(導入設定・研修・保守サポート・導入や活用のコンサルティングなど)。機能拡張などのオプションは最大1年分、役務(コンサルティングなど)は200万円が上限です。
対象にならない経費の例:交付決定の前に購入したITツール、補助金の申請・報告の代行費、消費税、リース・レンタル契約のツール、中古品、交通費・宿泊費。通常枠では、スマホ・タブレットなどの端末(ハードウェア)は対象経費に入っていません(インボイス枠ではPC・タブレット等が対象)。
計算の例(公開されている料金で計算した目安)
| 製品・プラン | 2年分の利用料(税抜) | 補助率1/2の場合 | 補助率2/3の場合 |
|---|---|---|---|
| サクミル(月額9,800円・20アカウントまで) | 235,200円 | 117,600円 | 156,800円 |
| 蔵衛門 プレミアム 6ライセンスパック(年額108,000円) | 216,000円 | 108,000円 | 144,000円 |
※IT導入支援事業者がITツールとして登録した価格・品目で計算されます。公式サイトの料金と違う場合があります。導入関連費(設定・研修など)を含めると対象経費は増えます。
※補助額が5万円に届かない申請はできません(通常枠)。補助金は、実績報告のあとに交付されます(先に全額を支払います)。
申請の前に必要なこと
- gBizIDプライムのアカウントを取る(申請に必須)
- IPA(情報処理推進機構)の「SECURITY ACTION」で一つ星か二つ星を宣言する(申請に必須)
- 交付申請の翌事業年度から3年間の事業計画を立てる:1年後に労働生産性(営業利益+人件費+減価償却費を総労働時間で割ったもの)を3%以上向上、3年間の年平均成長率3%以上(IT導入補助金2023〜2025の通常枠などで交付決定を受けた会社は4%以上)
- 賃金引上げ計画:150万円以上を申請する場合と、IT導入補助金2022〜2025のいずれかで交付決定を受けた会社は、1人当たり給与支給総額の年平均成長率などの計画を作り、従業員に表明しておく(150万円以上は事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする計画も)。初めて申請し150万円未満の場合は加点の項目です
- 交付申請の直近月に、事業場内の最低賃金が地域別最低賃金以上であること
申請の流れ
- IT導入支援事業者に相談し、gBizIDプライムを取る
- ITツールを選び、見積をもらう(デモ・無料トライアルで比べておく)
- IT導入支援事業者から「申請マイページ」に招待してもらい、開設する
- 交付申請を作り、事務局に出す(締切日の17:00まで)
- 交付決定の通知を受ける
- 交付決定のあとに、ITツールの契約・発注・導入・支払いをする
- 実績報告を出す
- 補助金の額が確定し、交付される
- 効果報告を出す(事業計画の期間中)
交付決定の前に契約しない(いちばん大事な注意)
- 交付決定の前にITツールを契約・発注した場合は、補助の対象になりません。交付決定の前に契約・発注・納品・支払いをすると、補助金を受けられません。
- デモや無料トライアルで比べておき、契約・発注・支払いは交付決定のあとにします。今使っている製品の更新や、トライアルからの自動の本契約が交付決定の前に来ないかも確かめましょう。
- 通常枠の申請は、2026年度の受付期間中に1社1回です(インボイス枠・セキュリティ対策推進枠は別に申請できます)。写真から始めて原価をあとで足す段階導入でも、通常枠で申請する品目は1回の申請にまとめる必要があるため、IT導入支援事業者と相談します。
- 締切は各回の締切日の17:00で、過ぎると受け付けられません。締切の直前は申請マイページがつながりにくくなることがあります。
- 申請の内容と実際の契約が違う、二重に計上するなどの不正が分かった場合は、交付決定の取消しや補助金の全額返還を求められます。賃金引上げ計画の目標を達成できなかった場合も、補助金の返還を求められることがあります。
2026年度の締切(交付申請・確認できた範囲)
通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠は、同じ日程です。
| 回 | 締切 | 交付決定日 | 事業の実施・実績報告の期限 |
|---|---|---|---|
| 1次 | 2026年5月12日(火)17:00 | 2026年6月18日(木) | 2026年12月25日(金)17:00(予定) |
| 2次 | 2026年6月15日(月)17:00 | 2026年7月23日(木) | 2027年1月29日(金)17:00(予定) |
| 3次 | 2026年7月21日(火)17:00 | 2026年9月2日(水) | 2027年2月26日(金)17:00(予定) |
| 4次 | 2026年8月25日(火)17:00 | 2026年10月7日(水)(予定) | 2027年3月31日(水)17:00(予定) |
| 5次 | 2026年9月29日(火)17:00 | 2026年11月9日(月)(予定) | 2027年4月30日(金)17:00(予定) |
| 6次 | 2026年10月30日(金)17:00 | 2026年12月10日(木)(予定) | 2027年5月31日(月)17:00(予定) |
| 7次 | 2026年12月1日(火)17:00 | 2027年1月19日(火)(予定) | 2027年7月30日(金)17:00(予定) |
※2026年10月2日時点で1〜5次の締切は過ぎています。8次以降は公表されていません(事務局は「確定している募集回のスケジュールのみ公表」)。
※複数者連携デジタル化・AI導入枠は別の日程(3次の締切が2026年10月30日)です。
建設けいえいができること・できないこと
- できること:診断で、条件に合う製品がITツール検索に掲載されているか、どのIT導入支援事業者が登録しているか、次の締切と交付決定の予定日をお伝えします。デモ・資料請求の手配のときに、補助金を使いたいことをベンダーに伝えます。
- できないこと:補助金の申請の代行、採択・交付のお約束。申請の代行費は補助の対象外で、申請は会社とIT導入支援事業者が行います。
よくある質問
いくら戻りますか?
通常枠は、対象経費(クラウド利用料は最大2年分)の1/2以内(条件により2/3以内)です。補助額は5万円以上が条件です。会計・受発注・決済の機能を持つツールはインボイス枠で補助率が上がる場合があります。
申請は誰がしますか?
会社(申請者)が、ITツールを登録しているIT導入支援事業者と一緒に、申請マイページから行います。製品の提供会社ではなく販売会社が登録している製品もあります。
いつ入金されますか?
交付決定のあとに契約・支払いをし、実績報告を出して補助金の額が確定してから交付されます。先に全額を支払う必要があります。
前にIT導入補助金をもらいました。また使えますか?
申請はできますが、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた会社は、賃金引上げ計画の表明が必須になるなど条件が厳しくなります。IT導入補助金2025の通常枠(複数社連携IT導入枠を含む)で交付決定を受けた会社は、その交付決定日から12か月以内は2026年度の通常枠に申請できません。詳しくは公募要領で確かめてください。
タブレットの代金も補助されますか?
通常枠では端末(ハードウェア)は対象経費に入っていません。インボイス枠では、会計・受発注・決済のツールとあわせて導入するPC・タブレット等が1/2以内・上限10万円で対象です。
出典
- 事務局ポータル(デジタル化・AI導入補助金2026):https://it-shien.smrj.go.jp/
- 事業スケジュール:https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/
- 通常枠:https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/
- インボイス枠(インボイス対応類型):https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/digitalbase/
- インボイス枠(電子取引類型):https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/digitalbased_invoice/
- 公募要領(通常枠・PDF):https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf
- ITツール検索:https://it-shien.smrj.go.jp/search/
いずれも2026年10月2日確認。
