建設会社を同業に売りたい 秘密を守る進め方と、許可を引き継ぐ方法


同業の会社なら、職人や許可、元請との取引をまとめて評価してくれることがあります。一方で、地元の同業者に売却の話が先に広まると、職人や取引先が不安になります。社名を出す前の約束ごとと、許可を引き継ぐ方法を先に整理しておきましょう。
こんなサインはありませんか
- 付き合いのある同業者なら、職人を大事にしてくれると思う
- ただ、地元で売却の話が広まるのは避けたい
- 会社の名前や看板は残してほしい
決める前に知っておきたいこと
- 社名を明かす前に約束を:仲介・FAは、まず社名が分からない資料で候補先に打診し、関心を示した先と秘密保持契約を結んでから社名を明かします。中小M&Aガイドラインでは、社名の開示は原則として相手ごとにあなたの同意を取って行うとされています。打診してほしくない会社(取引先・近くの同業)は、最初に伝えておきます。
- 株式譲渡なら許可はそのまま:株式を譲る方法では会社そのものが残るため、建設業許可も経営事項審査の結果もそのまま会社に残ります。ただし、経営経験のある常勤役員等と営業所技術者が辞めると、許可の取消しの対象になります。
- 事業譲渡なら事前の認可:事業だけを譲る方法では、あらかじめ許可行政庁の認可を受ければ、譲渡の日に許可を引き継げます(2020年10月から)。許可を受けた業種の全部が対象で、一部の業種だけは引き継げません。
- 社名を残すなら契約に:社名・看板・職人の雇用を残したい場合は、最終契約の条件にします。口約束では残りません。
- 直接交渉の制限・テール条項:仲介・FAとの契約には、紹介された相手と直接交渉しない約束や、契約が終わったあとの一定期間に成約しても手数料がかかる約束(テール条項)が入ることがあります。期間と範囲を契約前に確かめます。
費用の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 会社の価値の簡易の目安 | 純資産+営業利益の2〜4年分(年買法) |
| 仲介・FAの成功報酬 | 譲渡額の5%前後が多い。最低手数料が決められていることがあります |
| 許可の承継の認可(事業譲渡の場合) | 認可の手数料は大臣許可(関東地方整備局)ではかかりません。知事許可は都道府県で確認 |
| 期間 | 初回面談から成約まで6か月〜1年半 |
| 弊社へのお支払い | ありません(紹介先から紹介料を受け取り、その旨をお伝えします) |
ご自身でできる確認
- 打診してほしくない会社(取引先・近くの同業など)を書き出す
- 社名・看板・職人の雇用のうち、譲れない条件を決めておく
- 株式が社長以外に分かれていないか、株主名簿を確かめる
- 許可通知書で、一般・特定の別と業種を確かめる(買い手の許可と食い違うと事業譲渡で引き継げないことがあります)
とび・土工の会社・社員12名・社名を残したい
九州・60代
ご相談
近くの同業に譲りたいが、話が漏れるのが怖い。社名も残したい。
窓口の対応
社名を開示する前の秘密保持の進め方と、社名を残す条件を最終契約に入れる論点をお伝えし、候補先ごとに同意を取って打診するFAを1社ご紹介しました。
