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職人不足にどう備える?協力業者網の広げ方と、職人・協力業者に選ばれる会社の条件

職人が足りない理由は、人が減っていることだけではありません。若い人が入らず、ベテランが引退し、残った職人は条件の良い元請に集まります。自社の職人、協力業者、外国人材、現場の手間、会社の引き継ぎの5つに分けて、工務店が打てる手を整理します。

数字で見る職人不足

項目 数字
建設業で働く人 685万人(1997年)→ 478万人(2025年)
うち技能者(職人) 455万人(1997年)→ 296万人(2025年)
年齢の構成 55歳以上が36.6%、29歳以下が11.9%
建設業の許可業者数 約48万業者(2024年度末。ピークの1999年度末から約2割減)

出典:国土交通省「参考資料集」(2026年4月)。技能者が3分の2程度に減り、55歳以上が3人に1人を超えています。今いる職人が引退する10年後を見据えて、打ち手を考える必要があります。

打てる手は5つ

打ち手 向いている会社 最初にすること
自社で職人を育てる(雇用) 毎年一定の工事量があり、教える職長がいる 月給制・社会保険・資格取得の支援を求人票に書く。建設キャリアアップシステム(CCUS)に事業者登録する
協力業者網を広げ、続けてもらう 職種によって1社に頼っている 協力業者を職種・人数・年齢で一覧にし、1社頼みの職種から2社目を探す
外国人材(特定技能)を受け入れる 型枠・鉄筋・内装など人の確保が難しい職種がある 受入れの費用と手続き(国土交通大臣の計画認定など)を確かめる
現場の手間を減らす 写真・工程・連絡に時間を取られている 施工管理アプリで、写真の共有から始める
会社ごと引き継ぐ(M&Aの買い手) 職人と建設業許可をまとめて確保したい 同業の後継者不在の会社を、仲介・FAを通じて探す

外国人材の受入れや職人の求人は、姉妹サイトの現場キャリア(準備中)でご案内する予定です。会社ごと引き継ぐ方法は工務店・建設会社のM&A・事業承継で、買い手としてのご相談も受け付けています。

協力業者に選ばれる元請の条件

職人が減ると、腕の良い協力業者は仕事を選べるようになります。次の条件がそろう元請ほど、繁忙期にも人を出してもらえます。

  • 支払いが早く、条件が書面で決まっている:注文書と請書を交わし、支払期日を守る。
  • 工程が早めに共有される:手待ちと手戻りが少なく、1日の段取りが組める。
  • 単価の根拠を説明できる:国の「労務費に関する基準」(2025年12月勧告)に照らして、労務費を見積書で分けて示す。2025年12月からは、著しく低い労務費での見積り依頼は禁止されています。
  • 社会保険と安全書類が整っている:書類の様式と提出先がそろっていて、毎回聞き直さなくてよい。
  • 図面・写真・変更の連絡が一か所に届く:電話とLINEに散らばらない。

協力業者網の広げ方

  1. 今の協力業者を、職種・人数・年齢・自社への依存度で一覧にする
  2. 1社にしか頼めない職種と、職人が60代以上に偏っている職種を洗い出す
  3. 取引先からの紹介、地域の同業との相互の応援、業界団体の名簿などで2社目の候補を探す
  4. 最初は小さな現場で一緒に仕事をし、段取り・品質・安全の考え方を確かめる
  5. 連絡・書類・支払いの方法をそろえ、続けて頼める関係にする

社会保険と一人親方の扱い

国の「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」は、適切な社会保険に加入していることを確認できない作業員について、特段の理由がない限り現場入場を認めない取扱いを元請に求めています。協力業者を選ぶときは、法人・個人事業の別と、加入すべき保険の届出を確かめます。

一人親方は、労災保険に自動では入れないため、特別加入をしているかを確かめます。また、社会保険の負担を逃れるために職人を一人親方に切り替える「規制逃れ」は、国も問題として取り上げています。1社の指示どおりに働く実態であれば、雇用として扱うことを検討します。

協力業者にアプリを使ってもらうには

協力業者に施工管理アプリを使ってもらうと、写真・工程・変更の連絡を一か所にまとめられます。続けて使ってもらうには、次の3点が大切です。

  • 協力業者アカウントが無料か、1人あたりいくらか(40社に使ってもらうなら年間の費用が大きく変わります)
  • スマートフォンだけで、写真を撮って送る程度の操作で済むか
  • 協力業者に入力を求めすぎないか

製品ごとの協力業者アカウントの料金は、施工管理アプリ・DXツール比較で公開情報をもとに比べています。

自社で確かめたいこと

  1. 職種ごとの協力業者の数と、1社に頼っている職種
  2. 自社の職人と協力業者の職人の年齢層(10年後に何人残るか)
  3. 支払期日と、注文書・請書を毎回交わしているか
  4. 協力業者の社会保険の届出と、一人親方の労災の特別加入を確かめているか
  5. 協力業者への連絡にかかっている時間

元請として500万円(建築一式は1,500万円)以上の工事を受けるには、建設業許可が必要です。協力業者を増やして受注を広げる前に、建設業許可の要件もあわせて確かめておきましょう。